風ザナと私と兄 


イース1・2でビジュアルシーンや音声に感動した後
兄が同じファルコム作品である風ザナを買ってきたのが私と風ザナの出会いでした。

兄がオールクリアするまで待ってからプレイ。(確か他のゲームを攻略してたから)
オープニングビジュアルに感動し、村人一人一人に名前が付いてることに感動。
成長システムもこれは斬新なシステムだと思いました。
(当時ザナドゥの存在を知らず成長システムはもっと昔に完成されていたことを
 後に知ってまた驚くのですがそれは別の話)

曲も多く全12章フィールドもアクション面もボス戦も
全部BGMが違うというボリュームに圧倒されました。
当時RPGといえばドラクエやFFしか知らなかった自分にとって
このゲームには大きな衝撃を受けました。
ここまで作りこむことができるのかと。

すっかり没頭することになるのですが中々先に進むことができず
何回も兄に解き方を教わりながらプレイしました。
3章まで教わった後、兄からイベントが1つ進んだら
全員に話かければ詰まることは無いと聞き
4章以降は地力で解こうと決意しました。

5章や7章は相当歩かされ
9章でも砂漠で迷いながらもなんとか進めついに終章に突入します。
ここまでのプレイでアクション面だけでも
ゲーム1本分の価値があると兄に言ったら
兄は終章だけでもゲーム1本分の価値はあると言いました。

さすがにそれは大げさだろうと。
イースだってダームの塔が25階だったしそれが少し増えただけだと思っていたら
1階あたりの密度が全然違っていてまるで違うゲームが始まった感じでした。

苦労しつつも1日2、3階ずつ上がって行きましたが
今でも忘れることができない26階の青ブロック処理にぶつかります。
ここ、1週間詰まりました。
兄に解き方を教わろうか葛藤しましたが
下げるスイッチがどこかにあるはずなんだと
幽体システムを使ってようやくスイッチを見つけます。

付属のマップを見て一旦23階まで降りなきゃいけないと分かり
ようやく26階を突破することができました。

そして最後のアクション面。
BGMはPSG音源なのですが当時はCD音源と思っていました。

ついにラスボスのダルダンディスと戦闘。
赤城山パターンを知るはずもなく長期戦を制し最終形態へ。
足場の勝手が分からず落ちまくりながらもエリクサーでごり押し。

ついにクリアしクレーネジュエルを取り戻しめでたしめでたし
かと思いきやまさかのクレーネとの対決。
とまどいつつもHPが消失したのですぐイベントバトルなんだと理解し勝利。

エンディングが始まってこれほどの達成感を味わったのは初めてでした。
最後の最後まで驚きを与えてくれたこのゲームのすっかり虜に。
クリア後も看板ワープでさらに遊びやすくなりこればっかり遊ぶようになりました。

クレーネについて最初はアリオスの行動が少し唐突だと思ったのですが
最初からプレイしなおすとちゃんと伏線が張ってありました。

クレーネジュエルをもたらしたのはダルダンディスである。
地方の民は魔法に頼っていない。
王都に近い民ほど魔法が無くなって窮地に陥っている。
そんな状況を見たアリオスが
「われわれは魔法に頼りすぎってことか・・」と発言していたのです。

だからアリオスはクレーネに頼るのをやめようとしたのです。
それにしたってあの態度はないんじゃないかという意見もあるでしょうが
それは若さゆえ、というよりついさっきまで
ダルダンディスと命のやり取りをしていたのです。
アドレナリン出まくってて冷静になれというのが無理なのです。
だからあの場面のアリオスは実にアリオスらしいと思いました。


私には兄がいました。すでに他界しています。(享年35歳)
風ザナに没頭する私を呆れて眺めていたこともあります。
私の手元にある風ザナのソフトは兄の遺品でもあります。
兄がいなければ風ザナと出会うことは無かったので書かせていただきました。
兄貴、ありがとう。



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